プロレスとK1、PRIDEの違い
昨日のPRIDEと日本シリーズが自分のヒイキ選手(チーム)が惨敗したためテンション下がりまくり。
現実は努力や応援がそのまま成果を結ぶとは決まっていません。だからこそ良い結果が出た時は嬉しいし尊い訳です。しかし、競技である以上、勝者と敗者に分かれます。そのため見世物として勝者・敗者・観客が全てにおいてハッピーエンド(満足できる)になることは非常に稀となってしまいます。
また、選手は全力で頑張っている(または自分の進退を賭けている。)訳ですから、結果は仕方ないことなのに、レフェリーの不手際や、バカな阪神ファンが酔っ払って暴れたりするのを見ると、選手が可哀想になったり、もともと嫌いな「酒」と「騒ぎたいだけのファン」がもっと嫌いになり、こんな気分で家に帰るくらいなら会場(球場)には行きたくないなぁ、と考えてしまいます。
で、「U-STYLE Axis」です。
ジョシュ・バーネット選手、イリューヒン・ミーシャ選手の参戦が決定。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/headlines/wrestling/20051024-00000030-spnavi-spo.html
佐伯実行委員長が「プロレス」と念をおしていますが、ここで言う「プロレス」とはどういうものでしょうか?
プロレスに限らず、「プロスポーツ」とは例外なく「興行(見世物でお客を集める商売。)」です。お客を満足させて家に帰すことが興行の成功で、満足させる事ができなければ次の興行に来てくれなくなり、自分の首を絞めることになります。
そこで、どうやってお客を満足させるか?です。
衛星放送のアンテナを四本も立てるくらいスポーツ観戦が暇つぶしの一つになっている私としては、カーレースや球技、陸上競技からマリンスポーツまでなんでも語ってやろうかと思わないでもないですが、やったこと(直接、生観戦したこと)もないスポーツを語るのはまた今度、ということで今日は格闘技のみ語りましょう。
最近の格闘技はPRIDEやK1など、競技性を前面に出すことで「ルール内の選手の強さ」を売り物にする団体や、力道山が一時代を築いた「プロレス」を基本にして今に至る団体、そして「凶器を使う事が許されたデスマッチ」が売り物の団体、そしてシナリオや演出面を売り物にした団体などがあります。
ここで良く言われるのが「ガチ」と「ヤオ」、「競技」と「筋書き」か?という点です。このネタ、このblogでちょくちょく取り上げているのですが、気分が落ち込んでいるためにじっくり自分を見つめなおすの(と、他に書きたいネタが無いので)を兼ねて長文です。プロレスが真剣勝負であると信じている方、または興味の無い方、検索で意図せず飛んで来られた方はスルーをお勧め致します。
「興行」である以上重要なのは「面白い」か「つまらない」かで、ファン(観客)がそれぞれ決めれば良いことなんですが、ファン同士が(煽りや釣りもあるにせよ)お互いの団体を認めない不毛な論争(と言うか罵り合い)をネットのアチコチで見かけますので、女子格闘を除く(いや、単に私がスケベな事しか思い浮かばないため。)ほとんど全ての格闘技が好きな私としては、ファンの端くれとして立場をハッキリさせておきたいと思います。
PRIDEやK1、ボクシングですら一部の試合が灰色(外国メディアで片方の選手が筋書きをほのめかしたり、不自然な判定があったり)と評されたりするくらいです。しかし、KOシーンや相手の怪我の度合いを見れば、プロレスとは一線を引く競技であることが一目瞭然です。(この場合、デスマッチでの切り傷は競技には加えません。どっかのバカが縫った針数を自慢していましたが。)
まぁ、面白いのは競技と言えど、ボブ・サップ選手やチェ・ホンマン選手など、マッチメイクによりプロレス風味の面白さが多分に含まれるのが私好みでもあるのですが、純粋な競技ファンには逆に・・・・ですけどね。
話は戻って、プロレスは何故そんな怪我をしないのでしょうか?それはプロレスは選手が言葉では何と言っていようが相手を怪我させる(または戦闘不能に追いやる)のが目的ではなく、強さ・旨さ・凄さ・美しさ・面白さをリング上で相手選手と表現するのが目的で、結果は予め決まっているからこそ殴る蹴るの打撃技で急所を狙って全力で打つ事はありません。
しかし、技の一つ一つが筋書きで決まっているハズもなく(っていうか、毎日の興行で技の順序まで覚えるのは不可能。)選手個々のスキルにより、技の組み立て・精度・受け等の臨機応変の「旨さ」が必要となります。例えば、一定の筋力が無いと持ち上げられない投げ技、受ける側も協力しないと成立しない美しい技、強靭な肉体があってこそ映える打撃技、そしてその打撃を正面から受け止めてこそ表現できる頑丈さ、どれをとってみても日頃の練習あってこそです。
そして試合では、決められた結果に向けて試合を表現していく訳ですが、技が不自然に見えないように受けたり、2005年のベストマッチ「健太対健介」のように「豪腕(強靭な肉体)」というギミックの中でお互いに引くことが出来ず、凄まじいチョップ合戦が終わり無く繰り広げられたり、激しく体を動かす故に怪我などのアクシデントも起きる訳で、そういった事態にも「真剣勝負」というギミックの上で臨機応変に対応しなければならず、どんな場合にも対処できてこそ一流のプロレスラーと認められます。
それ以外にもタイトルマッチに向けての「前哨戦」というストーリー、「凶器攻撃や反則攻撃」によるヒール側の見せ場、「試合後のマイクアピール」など、練習量では賄いきれないセンスが必要な場合もあり、単純に筋力や根性だけでは総合的に評価されないプロレスの難しいところがあります。増してや、そのまったく同じ内容でも会場の盛り上がりで良く見えたり悪く見えたりするからなおさらです。
そのプロレス中でも「強さ」の表現より「演出面(シナリオ)」に力を入れた団体DDTで新王者が誕生しました。
その名は男色ディーノ選手。(ブログがめちゃくちゃ面白いです。)
初めて見たのはサムライ!でインディー団体での試合で、透明人間とプロレスをしていました。その表現力に爆笑させていただきました。そして、その後DDTに移籍してから頭角を現し、NOAHでは小橋選手のチョップを受けたり(?)、ZERO1-MAXでは大森選手と戦ったり、一歩一歩地位を築いていき、ついには所属団体最高峰のベルトを手にしました。試合後、涙ながらのマイクアピールには感動しました。(まだニュース侍!のダイジェストしか見てませんが。)
あるがままである為に、非情なる現実。
そんな非情なる現実ばかりでは息が詰まってしまう。たまには息抜きに「プロレス」を楽しんでみませんか?
で、話題は最初に戻って「U-STYLE Axis」です。
PRIDEやK1のような「プロ格闘競技」に問題があったのは、選手の保障面です。相手選手を戦闘不能(大怪我)をにすることが目的の競技を興行として、定期的に開催し続けるには選手を抱える従来のプロレス団体では不可能でした。まして同じ団体内での選手で、一歩間違えば選手生命を左右する怪我を負わせる事が目的の競技を行えるハズがありません。(特に日本では。)
そんな中、情報が氾濫しはじめた昭和後期において、ファンの目は肥えてきてプロレスラーの「誰の挑戦でも受ける」だの「相手を殺す」だの「ぶっ潰す」などの発言が冷めた目で見られるようになります。(未だにそんな発言をヒール側でもないのに許している老舗団体もありますが・・・。)しかし、練習の激しさと厳しさに自信を持っている選手が集まってUWFという競技性を表現したプロレス団体が話題を呼び、チケット完売伝説(新UWF)を作りました。
そこから派生するUWFインターナショナルという団体で、田村選手がプロレスの範疇を超える発言「高田さん、僕と真剣勝負をしてください。」とぶち上げるものの試合は組まれる事もなく、田村選手はその後K1のリングでパトリック・スミス選手とバーリトゥードマッチで勝利し、RINGS参戦を経てPRIDEのリングにて、高田選手の引退試合にて介錯役を引き受けたりして、プロレスと総合格闘競技の両方を知り尽くした男が旗揚げしたのが「U-STYLE」です。
その「U-STYLE」が行う初のビッグマッチ。「U-STYLE Axis」期待せずにはいられません。でも、ハコ(会場)がデカイんですよね・・・。大丈夫かな・・・。(私は旅費が無いので生観戦は無理。PPV放送してくれることに期待です。)
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